4月30日はベトナムの南部解放記念日。ベトナム語ではNgày Thống nhất、英語ではReunification Dayと言われています。1975年の4月30日に北ベトナムが南ベトナムの首都サイゴンを陥落させ、ベトナム戦争が終結した日です。

例年であればこの日はゴールデンウィーク期間なので日本に一時帰国をしているのですが、2020年の今年は新型コロナウイルスの影響で一時帰国が出来ないため、4月30日もホーチミンにいる事となり、せっかくの機会なので個人的な経験を踏まえてこの日について書いてみようと思いました。(ベトナム戦争についてはこちら参照。)

写真は Tuoi Treより引用
ベトナム戦争の終結は1975年なので、45年前。今の若者の両親や祖父母は確実にこの戦争の影響を受けているので、今の若い人達にとって遠い昔の歴史上の事件ではなく、自分の家族と深い関係があります。
「解放の日」というのは北ベトナムの立場の表現で、南ベトナムの立場では「陥落の日」または「敗北の日」と言い、南部のベトナム人は大きく不利益を被りました。
知り合いのベトナム人の家族は、この時に資産を奪われたと言います。もちろん、今でも北に対して今でもいい印象を持っていません。
当時ベトナム南部にはこの戦争による不利益から免れようとアメリカに逃亡した人達が多く、ベトナム戦争中から終結までにアメリカに1975年から1977年で20万人以上のベトナム人が逃亡しました。このような外国に在住するベトナム人を「越僑」といい、その半数が米国にいるとのことです。
現在、その人達の子供や孫で外国の高等教育を受け、一部はベトナムで活躍しています。私も何人かそういった歴史背景の家族をもつ若い人達と働いたことがあありますが、みんな共通して教育水準が高く、非常に優秀、反骨精神のようなものを持っていますもちろん英語はネイティブです。
複雑な歴史背景が生み出した産物だとは言え、この人達がベトナム経済を牽引していく推進力の一つとなっていくのだろうと思います。
この戦争が残した南北の深い溝は今の若い人達にも、目には見えないところで根強く引き継がれています。

1975年と今日のTan Son Nhat国際空港
引用:Tuoi Tre