新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないベトナムホーチミン市では、政府が、2021年8月23日から、感染対策として住民の外出を2週間、完全に禁止すると発表しました(結果的に2回の延長を経て、9月30日まで延長されました)。いわゆるスーパーロックダウンでせす。その期間ホーチミン市にいた私の経験をもとに、ホーチミン市がどのような状況になり、人々がその間どうやって生活していたかを記載します。
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新型コロナウイルスのホーチミン市での感染拡大状況(2021年8月現在)
ベトナムの感染者は8月25日時点で累計38万1,363人、死者数9,349人。ホーチミン市の累計感染者数は8月25日時点で19万174人、死者数7,568人と国内最悪の感染拡大地域になっています。ホーチミン市は首相指示16号に沿った社会隔離措置を7月9日から開始していますが、感染減退の兆しが見えず、9月15日まで同措置を延長を発表しました。
8月20日(金):23日から2週間の外出禁止となるとの発表により住民はパニックに。
8月20日(金)の昼頃に、ニュースがホーチミン市が23日(月)から2週間住民の外出を禁止することになると伝えます。その期間どのように食料を調達するのかなど詳細情報はなく、多くの住民がパニックとなり、発表直後から週末にかけて2週間分の食料や生活必需品を買い占めに走り、騒然としました。このパニックでさらに感染が拡大したことは間違いないでしょう。
1千300万人が住む都市で、2日前の突然の告知を受けて2週間分の物資を調達するとなると、人が溢れかえり物資は足りなくなるのは必然です。特にスーパーや薬局で長蛇の列ができていました。政府の計画性が著しく問われる事件だったと思います。
ちなみに私は1週間分の食料備蓄しかなかったのですが、感染が怖くて買い物に出かけられませんでした。ただ、買い物客が一気に殺到したので、おそらく買い物に行っても物はなかったのでないかと思います。
8月23日(月):住民の外出を2週間完全禁止に、軍を投入して住民の移動を抑止。
8月23日(月)、2週間の外出禁止令が施行されました。通行証を持たない人は外出できず、検問では公安(警察)に加え軍もライフル銃を携帯し監視を強化しています。路上に人の姿はほぼみられません。報道によると交通量は前日に比べ85%減少したということです。
在ホーチミン日本国総領事館発表の措置内容の詳細
①市内全域における移動の引き締め強化措置の実施
②市内全域における社会隔離措置の一部措置の実施強化
住民は外出禁止中どうやって食料を調達するのか
私の居住するエリア(Binh Thanh区、Ward 22)は買い物目的の外出も禁止され、外部からの配達も禁止されました。私は1週間分の食料貯蓄しかありませんでしたので、最初の数日で食料調達の方法をできるだけ探りました。
基本的には住民が居住する地域が各家庭に食料を届けるサポートをするというポリシーなのですが、実際の運用は不透明なところが多いのが実情です。私の居住するマンションからは、マンション敷地内にあるコンビニやスーパーのリストと、発注できる日が通知されました。

個別に商品のオーダーを受け付けるところはほとんどなく、肉・魚・野菜・果物・米・調味料などを「コンボ」で販売するケースが多いようです。1千万人が住む各家庭に商品を届けるとなると、個別オーダーを受けていられないのはわかりますが、配達されるまで何が入っているかわからないので、不便です。ちなみに私は果物のコンボを頼みましたが、マンゴーとMận An Phướcという果物が入っており、後者は私が嫌いな果物だったので、結局他人にあげたので、マンゴーしか残りませんでした。。

各家庭のオーダーが殺到し、スムーズに必要な人に必要なものが届いている状況ではありません。
政府による食料調達のサポート
ニュースでは、軍が人々の食料調達を支援していると報道され、各家庭に食料を配達している写真が挙げられていますが、実際そのような実態があっのたかどうか、どれくらいの人々がこの支給の恩恵を受けたのかは私にはわかりません。
少なくとも私の居住区ではこのような光景は見れませんでした。