2020年1月30日の旧正月開けから本格的に始まった、ベトナムの新型コロナウイルス対策。約3ヶ月が経過した今日2020年5月1日現在、ものすごく振り回され、ストレスフルな3ヶ月だったにも関わらず、ともすればすぐに記憶から消えてしまいそうなので、後日のためにも自分の身の回りで起こったこと・起こっていることを書き留めておこうと思います。

前提情報としては、私はホーチミンに住んでいて、ハノイとホーチミンにオフィスを構え、Eコマース事業を運営している。家族(夫)は日本におり、以前は2ヶ月に一度一時帰国していたのだけど新型コロナウイルス以降一時帰国が不可能となり、2020年5月1日現在一時帰国の目処が立っていない、と言う立場です😓
結論から言うと、新型コロナウイルスに対するベトナム政府の対応は迅速かつ徹底していて、圧倒的な検査数、徹底した接触者の洗い出し、隔離施策、早期の水際対策により、地球上でも稀有な、ウイルス感染拡大の封じ込めに成功した国だと思っている。2020年5月1日現在、感染者数は270名、死亡者は出ていません。
それを可能にしたものは何か?個人的には、共産党一党独裁政権のため、意思決定を素早く下し実行する素地があったから、に尽きると思っています。
以下、出来事を時系列に。

●旧正月明け(1月30日〜)
- ベトナム国内で主に中国からの帰国者の中から初の新型コロナウイルス感染者が発見される。
- 旧正月明けから学校は休校になり、休校中の子供の面倒をみる人がいない親は途方に暮れ、田舎に預けたり、職場に連れて行ったりしていたらしい。
- 中国からの便を禁止、中国滞在者も入国禁止。
- 弊社のEコマースサイトでは消毒液が売れ始める。マスクは早々に仕入れ不可能となる。
●3月22日
- 全外国人の入国が禁止となる。(参照:在ホーチミン日本大使館情報)
- この頃は入国者、感染者との接触者の隔離が徹底された時期。ハノイ・ホーチミン市内のマンションで一棟ごと外出制限がかかるところもあった。私の住むコンドミニアムでも35部屋で隔離生活を送っている人達がいた。
- ジムや公園が閉鎖。運動習慣があるのだけどマンション内の道路を走る日々が始まる。
●3月28日
- 不要不急のサービス業の休業が要請される。(参照:在ホーチミン日本大使館情報)
●4月1日
- 15日間の「社会隔離施策」開始。(参照:在ホーチミン日本大使館情報)
- 弊社はこの日から従業員の半数以上を自宅待機・在宅勤務とし、どうしても出勤が必要な従業員だけで事業を運営することに。
- ハノイの感染状況が深刻だったため、弊社ハノイ事務所を一時閉鎖することに。
- この先の事業の見通しが立たなかったため、人員を最小限にするため数名の従業員と協議の上会社を辞めてもらうことに。。この頃のストレスはMax。
●4月9日
- ハノイの状況が少し改善してきたことと、弊社パートナーの会社も従業員が数名出社していると言うことで、ハノイ事務所を再開することに。
●4月16日
- 「社会隔離施策」が22日まで延長となる。ただし工場での生産活動や建設・物流は元どおりに戻すようにとのこと。
- この頃から交通量は増え始め、企業活動も活発になり、街は元の活気を取り戻し始めた。
●4月22日
- 「社会隔離施策」の緩和。(参照:在ホーチミン日本大使館情報)
5月1日現在、有難くも日常生活はほぼ問題なく営めるものの、外国からの入国規制は解かれないため、一度ベトナムを出国すると再入国ができない状態。ベトナムに仕事がある私はベトナムに戻れないと大きな問題なので、日本への一時帰国ができません。日本にいつ一時帰国ができるか、見当がつかない状態は続いています。安全であるに越したことはないけど、やっぱり早く家族と会いたい。
とはいえ、従業員も自分も感染することなく、隔離されることもなく、無事にこのウイルスの波(第一派)を乗り越えられたので、ベトナム政府に本当に感謝しています。
連休明けの来週には、3ヶ月ぶりにハノイに出張し、新型コロナウイルスの影響下にありながら自主的に頑張ってくれたスタッフと顔を合わせる予定です。
あとは経済が元どおりになることを祈るのみ。。。
