新型コロナウイルス渦中の2020年2月下旬、37度5分を超える発熱と倦怠感の症状が出てしまいました。その際、ホーチミン5区にあるベトナム国営総合病院のチョーライ病院(Bệnh viện Chợ Rẫy)で診察と処方をしてもらった経験について書き留めておこうと思います。ホーチミンにお住まいの方で国営・市立病院や現地ローカル病院に行くことを検討されてる方のご参考になれば幸いです。
新型コロナウイルスはベトナムでは旧正月あたりから国内で感染者が確認されるようになりました。中国南部からの病気とあって国境を接しているベトナムは厳戒態勢、早期に徹底した隔離施策を取っていました。
チョーライ病院(Bệnh viện Chợ Rẫy)はベトナム南部最大の国営総合病院で、この病院はベトナムの新型コロナウイルス感染拡大初期から南部の感染者を受け入れて、治療に従事していました。
チョーライ病院は1900年に設立され、100年以上の歴史のある立派な病院です。近年では日本のODAで医療水準向上のサポートを受けていたので、日本との結びつきも強い病院です。

2月26日の朝、前日夕方からの急な筋肉痛と倦怠感、夜中に37度を超える熱があったので、病院へ行こうと決心。普段はインターナショナルホスピタル(Vinmec)に行くのですが、症状からすると新型コロナウイルスの可能性も無くはないので、おそらくVinmecに行ったとしても検査はできないと思い、新型コロナウイルスの検査・治療の実績があるチョーライ病院に行くことにしました。
チョーライ病院は現地ローカルの病院なので、日本人でベトナム語が少ししかできない私には英語対応してもらえないと話にならないので、事前にホームページのホットラインに朝6時頃電話をしてみたら、英語で「すぐにきて」とのことなので、早朝でしたが行くことに。
ローカルの病院に行くのはこれが初めてでは無いのですが初めてのローカル病院は勝手がわからないのでやはり緊張しました。

ゲートについたものの、とにかく大きいのでどこに行けばいいか正直わからなかったのですが、人の流れに乗じて、受付らしきところまで辿り着き、ベトナム語で「私は日本人です。英語ができる先生に会いたい」と伝えました。すると、別棟に連れて行かれました。別棟は「Health Care Department」という、通りの向かいにある建物です。
その建物には受付があり、初回問診票のようなものに個人情報などを記載。新型コロナウイルスの渦中のため、パスポートの提示と最終入国日も聞かれました。ベトナムは外国人に対しては神経質になっていましたが幸い私は入国後1ヶ月以上経っていたので、警戒は解かれ、医者の診察を待つように言われました。入国後2週間以内であれば違う対応だったと思われます。

引用はFacebookページより
診察を受けた医者さんは女性で英語で問診と触診。一応デング熱の可能性もあるので血液検査をするとのこと。入国後1ヶ月以上経っていて呼吸も正常で喉の痛みもなく、血液検査も異常がみられないため、新型コロナウイルスの可能性は低いとの診断。普通の風邪なのでビタミンを取り、大量の水を飲んで安静にしておけば治るとのこと。処方されたのはビタミン剤と解熱剤のみ。解熱剤は38度を超えたら飲んでと。その日病院の薬局に解熱剤の在庫がなかったので、自分でどこかの薬局で買ってねとのこと。家にイブがあるので、解熱剤は買わず、ビタミン剤のみで様子を見ることに。
その日は夕方まで安静にしていたのですが、その日の夜は仕事でセミナー講師の依頼があり、休むことはできなかったのでフラフラしながらも無事セミナーと懇親会を済ませて22時頃帰宅。翌朝は案の定良くはなっておらず、自宅で安静にしてました。
結局症状がなくなるまで2月26日、2月29日、3月2日の3回お世話になることになりました。
2月29日、発熱、倦怠感の症状が依然として良くならないので2度目の診察に。この日はコロナウイルスの確認に念の為胸部X線検査。異常なし。抗生物質と解熱剤を処方されましたが、おそらく抗生物質は気休めなんでしょう。
3月2日、発熱、倦怠感に加え頭痛も発生し、症状が良くならないので3度目の検診に。この日はマラリアの可能性もあるので再度血液検査。異常なし。解熱剤を処方され、2日経っても症状が良くならなければまた来てとのこと。結局3月3日には症状が改善に向かい、その後回復したのでチョーライ病院にはこれ以来行っていません。
結果私はコロナではなかったのですが、コロナの渦中だったこともあり、周囲に心配をかけたくなかったので信頼できる病院で診察をしてもらったことは、よかったと思っています。 診察料と薬代で毎回50万ドン程度(日本円で2500円くらい)で済んだと思います。
ベトナムの国立または市立の病院は非常に診察料が安く、医師はほぼ英語が堪能です。日本人で英語ができ、ベトナム語で片言でも「私は日本人です。英語ができる先生に会いたい」と言えて会計ができるのであれば、絶対にローカルの病院に行くべきだと思います。土日も対応してますし、医療水準も全く問題ありません。患者数が圧倒的に多いので経験値はインターナショナルホスピタルより高いと思います。
インターナショナルホスピタルだとこんな安い診察料では済みません。もし時間外に行っていたら救急ということで2百万ドン(日本円で1万円くらい)、胸部X線検査でまた2百万ドンくらいかかります。私のケースだと毎回2百万ドンくらいの出費だったと思います。土日の対応もできません。インターナショナルホスピタルのメリットは外国人の対応に慣れている事、患者数が少ない事。賢く使い分けたいですね。
チョーライ病院の情報は以下の通りです。もしご利用される場合は事前に電話で受付の時間や英語対応が可能かなど、念の為聞いてから行くのが安心かと思います!
チョーライ病院(Bệnh viện Chợ Rẫy)
ウェブサイト http://choray.vn/
ホットライン 028 3855 4137
住所 201B Nguyễn Chí Thanh, Phường 12, Quận 5, Hồ Chí Minh 24時間対応です。